ブックオフでたまたま手に取った本。『値段のカラクリ「激安」「高額」には理由がある』を読んでみました。
・世の中の仕組みを知ることができる
・お金の動きに強くなれる
簡単にまとめると、この本を読むことで、上記のようなメリットがあります。絵や図表も多く使われているので、2時間ほどで読み終わると思います。
以下では、感想を交えながら、私が気になった箇所・フレーズをまとめています。
値段の仕組みを知ること=世の中を知ること
冒頭で、以下のように述べられています。
ある商品やサービスが提供される「値段」に対して「原価」がいくらなのかということに強くこだわり、企業が手にする「利益」の部分にやたらと目くじらをたてる人々を、ネット上では“原価厨”と揶揄するのだという。
「おにぎりの原価は10円以下。それを100円で売るのはぼったくりだ!」
こんな風にしたり顔で主張するような人が“原価厨”というわけだが・・・
『値段のカラクリ』:P2より
上記に出てくる“原価厨”は、値段の仕組みについて、偏った知識しか持っていないようです。
その状態では、経済の仕組み・世の中の仕組みを上手く理解することはできません。
おにぎりを売るには、材料費だけでなく、流通費や人件費がかかります。さらには、お店や工場の場所代、光熱費だって必要です。おにぎりのパッケージにもコストがかかりますね。
つまり、お店の利益は90円ではないわけです。
値段の仕組みを知らなくても、死ぬことはありません。しかし、損をすることはあるかもしれません。
大きなビジネスから個人レベルでの日常生活に至るまで、この世の中は、「お金」で回っています。
であれば、お金の流れに詳しくなることは、人生における「武器」だと言えるでしょう。
まずはここから始めましょう。モノの見方が変わると思います。
なぜ回転寿司は100円均一でも大丈夫なのか?
100円均一の回転寿司。その現状は、なかなか厳しいようです。
もはや国民食ともいえる回転寿司だが、飲食店の中でも原価率が高いことで知られている。
「老舗寿司店ではネタによって寿司の値段が違うように、回転寿司が100円均一にしていること自体に無理がある。人気のネタには高級魚が多く、原価率をいかに抑えるかが回転寿司店生き残りの生命線となっている」(業界紙記者)
『値段のカラクリ』:P18より
気になる原価率ですが、TOP3は、ウニ・マグロ・イクラだそうです。
目安ですが、ウニの原価は85円、マグロは75円、イクラは70円。
これに、人件費や宣伝費、水道光熱費や設備の減価償却費を合わせると、普通に100円は超えそうですね。つまり、赤字です。
お客さんがウニばかりを食べると、回転寿司は潰れてしまうことが分かります。
反対に、原価が低いのは、以下のようなネタ。これらの原価は、20円前後だそうです。
- ツナマヨコーン
- エビ
- タマゴ
- かっぱ巻き
- 味噌汁(原価10円ほど)
幸い、回転寿司のお客さんは、ファミリー層が多いです。
回転寿司は、タマゴやコーンを頼む子どもたちに救われていると言えますね
子どもが平均原価を下げてくれるので、採算が取れるわけです。
ちなみに私も、「エビ」で貢献しています。
最近では、人件費を抑えるために、ロボットが導入されています。
ロボットがシャリを作り、アルバイト(人間)はネタをのせるだけ。もちろん注文も機械で行います。
私がよく行く回転寿司では、ロボットが接客もしてくれます。
ロボットの発展が恐ろしくもありますが、人件費削減につながるのは喜ばしい限りです。
1000円カットの仕組みが面白い
駅ナカや大型施設を中心に店舗展開する「1000円カット」。
私は利用した経験がないのですが、行列ができているのをよく見かけます。
「1,000円カット」のポイントは、時間効率・回転率です。
客1人あたりのカット時間は原則10分。券売機のある店では会計の時間を省くこともできる。予約を受け付けないため、電話対応に時間を取られることもない。結果、1人の理容師が1時間で最高6000円を売り上げることが可能となる。
1000円カット専門店ではシャンプーやトリートメントなどの消耗品が必要ないし、おのずと水道光熱費も旧来型の理容室よりはかからない。加えて、1000円カット専門店は洗髪台給湯設備を設けないので、初期投資を抑えることができる。
『値段のカラクリ』:P40より
一般的な美容院でも、1時間で6000円の売上をつくることは可能だと思います。
しかし、「1000円カット」とは「値段のカラクリ」が大きく異なることが予想できますね。
お客さん(特に男性)の需要を満たした、良いビジネスモデルだと言えます。
1000円でカットを提供できる背景を知ることで、世の中の見え方が、少しだけ変わってくるかもしれません。
以上です。
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